かつてこの島の人々は起きるとまず、
浜に旗が揚がっているかを確かめました。
漁の可否を示すその旗次第で、日の過ごし方が決まったからです。
つまり、旗が人々を導いていたと言えます。
私たちが目指すのは、今はなきその旗を再び揚げること。
私たち漁師の手で島の魅力を発信し、
この島の漁師であることの素晴らしさを多くの人々に伝えます。
島の未来を、私たち漁師が導いていくのです。
利尻島の漁業協同組合は島内に4カ所。 その各所から集まり、北から漁業を盛り上げていくNORTH FLAGGERSのメンバーをご紹介します。
Zenichi Kosaka
磯付け・沖ナマコ・養殖コンブ・ホッケ刺し網・カニ
利尻漁業協同組合沓形支所
利尻島で漁を始めた年: 2002年
利尻漁業協同組合・理事。大学卒業後、証券会社に勤務。26歳でUターンし、家業を継いで漁師に。漁師としての収入を上げ、利尻島の漁業や海産物、島の魅力をたくさんの人に知ってもらうために6次産業化を実践。
Daiki Watanabe
磯付け・ソイ
利尻漁業協同組合沓形支所
利尻島で漁を始めた年: 2010年
利尻漁業協同組合沓形支所・青年部副部長。島の漁師の担い手募集プロジェクト「漁師道」の第1号。26歳で来島。移住漁師だからこその目線で水産業の魅力を伝えるべく奮闘中。
Yoshiki Yagi
磯付け・沖ナマコ・養殖コンブ・タコ
利尻漁業協同組合仙法志支所
利尻島で漁を始めた年: 2005年
利尻漁業協同組合仙法志支所・青年部部長。家業を継いで漁師に。大工も兼業しているが、2017年に漁船を購入し事業の拡大を図る。2018年青年部長に就任し、若手の育成や青年部事業へも力を注ぐ。
Yuuki Hoshita
磯付け・養殖コンブ・タコ
利尻漁業協同組合仙法志支所
利尻島で漁を始めた年: 2004年
利尻漁業協同組合仙法志支所・青年部副部長。高校卒業後、家業を継いで漁師と大工を兼業。2017年に漁船を購入。取り扱う魚種を増やし事業拡大を行う。また、2018年から青年部副部長に就任し、八木青年部長とともに若手の育成に励む。
Masato Miso
磯付け・養殖昆布
利尻漁業協同組合鴛泊本所
利尻島で漁を始めた年: 2004年
2004年に漁師となる。現在は養殖昆布に力をいれており、研究を重ねよりよい利尻コンブを生産するべく奮闘中。
Hyouta Nakata
磯付け
利尻漁業協同組合鬼脇支所
利尻島で漁を始めた年: 2012年
利尻漁業協同組合鬼脇支所・青年部部長。2012年に利尻島へ移住し漁師となる。昨年から猟銃によるトド駆除を行い水産資源の保護にも力を注ぐ。
Wataru Takahashi
利尻漁業協同組合職員
利尻島で漁を始めた年: 1998年
利尻漁業共同組合共済課長。利尻で生まれ、利尻で育ち、島を愛してやまない漁協職員。島の漁業を盛り上げるため、漁師や組合全体を巻き込んだ新しい挑戦をはじめる。
明治初期、ニシン漁から始まったとされる利尻島の漁業。 ニシンを求めてたくさんの人々が島へ移住してきました。 昆布漁やウニ漁に始まり、今では多種多様となった利尻島の海産物をご紹介します。
代表的な海産物のひとつである利尻昆布。濁りない上品な味の出汁は、高級食材として重宝されています。利尻島では天然と養殖の両方を扱い、いずれも2年をかけて成長させ、時には3mもの大きさになることも。
6月からシーズンを迎える利尻島のウニはとにかく濃厚な味が特徴。なにせ高級食材・利尻昆布を豊富に食べて育つからです。より濃厚なガンゼ(エゾバフンウニ)と上品な味わいのノナ(キタムラサキウニ)という2種類が水揚げされています。
栄養豊富な利尻富士の雪解け水が流れ込む利尻の海域で育った毛ガニは、2月~3月が旬。身がぎっしりとつまり、他にはない甘みある味わいが特徴です。
10年ほど前から主要な海産物として水揚げ高が増え、「きんこ」として付加価値を高める乾燥加工や養殖といった様々な取り組みが行なわれています。当然採れたてを生で食すことも。その歯ごたえは絶品です。
北の魚、ソイ。利尻島では年間を通じてシマゾイとクロソイの2種類が水揚げされます。刺身やあら汁、フライなど様々な食し方で愛され、なにより利尻ならではの利尻昆布を使った昆布〆は島内でも大人気。
大きいものは数十キロにもなる利尻島のタコは、大変肉厚で刺身やタコしゃぶにしても食べ応え満点。漁には「イサリ」と呼ばれる色鮮やかな仕掛けを施した針が使われ、職人技が試されます。
4月から10月にかけて漁が行われるホッケも利尻島の代表的な海産物のひとつ。栄養豊富な近海で、荒波に揉まれながら育つため大変肉厚でジューシーです。夏から秋にかけて脂がのり、旬を迎えます。焼き魚にしても美味ですが、玉ねぎやキャベツと味噌で和えたちゃんちゃん焼きも有名。
春と秋に全て一本釣りで生きたままで水揚げされ、鮮魚で東京・築地まで出荷。市場を賑わす名魚です。そのため島内では希少な魚ですが、特に秋には宿などで食されることも。稚魚の放流など資源管理活動にも取り組んでいます。
9月になると至近距離で遡上を見ることができ、利尻島では大変馴染み深い魚です。10月には鮭釣り大会も開かれています。当然、その鮭から採れるイクラも絶品。孵化施設での資源管理にも取り組んでいます。
年間を通じて水揚げされるガヤ(メバル)。島内では煮付けが親しまれ、タレにつけた卵をご飯にかけるのもまた絶品です。近年は価格が上がり、高級魚に仲間入りしました。
肉厚で噛み応えのある利尻島のアワビは、一口食べると磯の香りが広がります。10月から12月に決められた回数の漁で水揚げされるほか、種苗放流によって資源管理活動も実施しています。
有名な「昆布と利尻富士」だけではなく、まだまだ広くは知られていない、さまざまな魅力が利尻島にはあります。人々が、豊富な幸をもたらしてくれる海に囲まれて、独自の伝統文化や生業、営みを発展させてきたからです。海に触れ、海を学び、本当の利尻島を知ることができるさまざまな体験をご紹介します。
島の代表的な海産物・利尻昆布漁の奥深さに触れることができるアクティビティーです。現役漁師などによる「利尻島の漁師・漁業」「利尻昆布」をテーマとした座学形式のレクチャーから、昆布のカット、商品梱包までを体験できます。
小さな海を舞台にウニの生態を学ぶことができる施設です。エゾバフンウニとキタムラサキウニを繁殖し、直径2cmほどまで育てて近海へ放流する「育てる漁業」という利尻島の取り組み。その拠点であるこの施設内には、なかなか見られない小さなウニの子どもたちが生き生きと暮らしています。ほか、沿岸に生息する魚やナマコ、ウニの外敵ヒトデやタコを観察することもできます。
漁師さながらの本格ウニ採り体験ができます。岸に括りつけた船に乗ったり、ガラス箱で海底をのぞきながら「タモ」を使ったり…。採ったウニを専門スタッフの指導のもと、その場で割って食すことができるのも大きな魅力です。軍艦の土台を売店で購入すれば、産地超直送の握り寿司も体験できます。
島外から移り住み、漁業へ参加する人も多くいる利尻島。出身地のほかにも、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が最前線で活躍し、それが利尻島らしいユニークな漁業の在り方を形作っています。更なる漁業の発展の為に、継続的に行っている取り組みへの参加方法や募集記事をご紹介します。
新規漁業就業者へ向けた研修です。2週間にわたって仕事内容や楽しさ、やりがい、そして利尻島での生活を実際に体験することができます。
利尻昆布の繁忙期である6〜7月に、漁師たちと協力して昆布を干す「干し子」の募集です。
刺し網漁などで網にかかった魚を、網から外す「網外し」という人材の募集です。網外しの作業がきっかけで島で漁師になったという人も。
漁師とともに島の漁業を担う漁業協同組合の職員募集です。
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